私の教育理念


7,私の教育理念

<私と生物教育>

 何よりも生徒の生き生きとした反応には私の方が励まされ、授業にも力が入りました。生徒の実験の眼球を食肉センターに依頼したら、「いいですよ、どうぞどうぞ。但し夕方とりに来て下さい」という話でした。私としては受け取りに行ったつもりでしたが、向こうは採りにという意味だったようで、ナイフを渡され暗いコンクリートの部屋に案内され、目の前には皮を剥がされたブタの頭が100個程・・・・・。生徒のためと3時間程かけて目玉をくり抜きましたが、手にはマメができていました。ネズミの解剖で生徒がお墓をつくって供養してくれましたが、毎日毎日線香をあげる姿には、麻酔で殺した私の方が後ろめたい気持ちでまいりました。ウニの発生観察で、受精の瞬間に生徒が歓声をあげました。そこで、「じゃ、シャーレに継続観察用の受精卵をつくるので、スライドガラスはガーゼでふいて洗って下さい」と言ったところ、生徒の実験レポートの感想卵に「どうしてスライドガラスの受精卵は捨てたのですか、かわいそうです。」と抗議されました。こちらの都合で実験を進めたことに気づかされ、それからは「スライドガラスの受精卵も大事な生命ですから、シャーレに入れてあげましょう。」と指導しています。いつでも生徒の立場を考える指導ということで、貴重な反省をさせてもらいました。

 
<ノートづくり>

 生徒のノートづくりも順調で、先輩のノートを回覧すると、自分も頑張ろうということできそって手を加えております。なんと年々ノートが進化するのです。何冊か見本に譲られますが、しばらくすると「やはり、思いでになるので返してほしい。」と何人かが電話をかけてきます。生徒には「生きたノートづくりをしよう」「自分で生きた参考書をつくろう」ということで最初に語りかけます。さらに「生物を勉強することは自分自身を知ること」「単に受験のためや点数のためではなく、生物や自分の体そして地球をみる目が変わらなければ真に学んだことにはならない。」「学ぶことは楽しいこと、人間だけに許された特権、人生を豊かにしてくれる。」という話を常にするよう心がけています。

 
<今後の抱負>

 平成11年6月には「岩手県教育弘済会教育賞」を受賞しました。教師生活も残り7年ということで、自分が夢中で取り組んできた「山口方式のモジュール式教育」を世に問い、多くの先生方から批評を受け、ますます頑張らねばと考えています。「 生物の楽しさを学ぶのにできる子もできない子もない」という信念が、長い間自分自身を支えてくれたような気もします。学力のない僻地の生徒は難しいといわれるDNAを必死になって覚えようとしました。マメの遺伝に反応しなかった生徒も、ヒトの目の色で遺伝を教えたら、それこそ目の色を変えて学ぼうとしました。私のプリントは、30年間ほとんど変わっておりません。その間「学習指導要領」は頻繁に変わりました。教師が生徒にこれだけは教えたい、覚えておいて欲しいという願いは、いつになってもどこででも生徒には通じるようです。自己本位といえばそれまでですが、生徒とともに育てた学習パターンを今後とも大切にし、より発展させていきたいと考えております。

 
<終わりに>

 教職についてもう45年になんなんとしています。管理職も経験し,退職後も生徒との出会いと感動を共有し、授業を通して生物教師でよかったと思える境地に達しました。教師にとっては飽きるほどの授業でも,生徒にとってはいつでも初めての授業なのです。いくつになっても,生徒とともに感動できる心だけは忘れたくないと思います。生物への感動に進学校も僻地校もなかったことは,私の教育の大きな自身となっています。すべての生徒にわかる生物教育を掲げてきたが,まだまだやりたいことは多々残っています。生物教育が単なる受験の道具にならないよう,生物の素晴らしさと生命の大切さをつねに生徒に語りかける真の生きた生物教育を目指して,さらに一層の研鑽を積みたいと思います。

 
<テキスト紹介>
  1. 「モジュールテキスト集」(テキスト編) A4版 110ページ
    授業に即使用できる生物の学習プリントをまとめたもので,自己診断、読み物、作業、事後テストなど盛り沢山。
  2. 「モジュール教育指導書」(授 業 編)  A4版 320ページ
    テキスト集の学習プリントの使用法及び生物の授業すべてをまとめたもの。生物ⅠA~Ⅱまで網羅。
  3. 「モジュール学習実験書」(実 験 編)  A4版 100ページ
    教材生物の飼育や簡単にみせれるデモ実験、薬品の調合の仕方等をまとめたもの。
  4. 「モジュール学習資料集」(資 料 編)  A4版 200ページ
    授業に関した面白い話をワンポイント的にまとめた生物話題集や視聴覚教材や執筆関係をまとめたもの。
 
<連絡先>

 自己本位のままに夢中でまとめたテキストなので,諸先生方のご批評をいただければ幸いです。テキストをご覧になりたい方,またはご意見等のいただける方はご連絡下さい。

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